債務返済の実績

 機構は、法令により、道路関係四公団の民営化(平成17年10月)から60年以内に、高速道路会社から徴収する貸付料により、公団から承継した債務(約40兆円)及び会社から新たに引き受けた債務を完済することとされています。
 平成30年度における債務残高の推移、債務返済計画と実績の対比等は、以下のとおりです。

1 債務残高の推移(決算ベース)(平成30年度)

 平成30年度中の独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構の債務残高の推移は下表のとおりです。期首(平成30年4月1日)の債務残高は27兆5,163億円でしたが、期中に2兆1,956億円の債務を引き受け(会社から道路資産とともに引き受けたもの)、3兆4,371億円の返済及び国からの財政融資資金1兆5,000億円の借入れを含む、総額2兆9,309億円の資金調達を行った結果、期末(平成31年3月31日)の債務残高は29兆2,116億円となりました。

■平成30年度の債務残高の推移

  平成30年度   (参考)平成29年度
期首債務残高 27兆5,163億円   27兆8,704億円
債務引受額 2兆1,956億円   1兆3,720億円
債務返済額 3兆4,371億円   3兆4,021億円
資金調達額 2兆9,309億円   1兆6,690億円
債券発行差額償却による
簿価増
59億円   71億円
期末債務残高 A+B-C
+D+E
29兆2,116億円   27兆5,163億円

注1)資本金及び道路承継未払金(平成29年度末830億円、平成30年度末839億円)を含んでいません。

注2)端数処理の関係上、計が合わないことがあります。

■債務種類別推移

[単位:億円]

債務の区分 借入金・債券(額面) 発行
差額
残高
期末
簿価
  (参考)
発足時
期首
残高
当期増加 当期減少 期末
残高
新 規
借 入
債 務
引 受
返済




政府借入金
(無利子)
2,103 438 1,666 1,666   7,800
政府借入金
(有利子)
1,990 15,000 522 16,468 16,468   87,693
民間借入金 13,028 4,078 1,752 15,354 15,354   31,784
17,122 15,000 4,078 2,712 33,487 33,487   127,276

政府保証債 183,097 11,275 35 23,361 171,046 27 171,019   59,424
政府引受債   145,832
財投機関債 52,159 3,034 3,300 51,893 672 51,221   23,925
縁故債   18,080
その他の社債 18,811 17,844 4,975 31,679 0 31,679  
254,067 14,309 17,879 31,636 254,618 698 253,920   247,261
長期未払金
(東京湾横断道路建設
長期未払金)
4,732 23 4,709 4,709   7,239
債務計 275,920 29,309 21,956 34,371 292,815 698 292,116   381,775
(うち有利子債務) 273,817 29,309 21,956 33,933 291,149 698 290,451   373,976
資本金 56,050 84 55,966 55,966   43,712
債務と資本金の合計 331,970 51,265 34,455 348,780 698 348,082   425,487

注1)道路承継未払金を含んでいません。

注2)資本金の欄には高速道路勘定の資本金を表示しています。

注3)端数処理の関係上、計が合わないことがあります。

上表を印刷される方はこちらPDF【112KB】

2 資金調達の実績(平成30年度)

 今後の金利上昇リスクを軽減し、債務返済の確実性を高める観点から、低金利の環境を捉え超長期年限での調達を目指しました。
 積極的なIRで幅広く投資家需要を喚起するとともに、財投機関債で30年利子一括払債、32年・35年・39年固定利付債を新たに発行し、調達の多様化を図りました。

 利子一括払債を含め30年以上の政府保証債・財務機関債を6,450億円(前年度は5,800億円)発行するなど、年限の長期化を図ったことに加え、国からの財政融資資金1兆5,000億円を借入れた結果、総額2兆9,309億円の資金調達の内、超長期年限の割合は88.1%となり、平均調達利率は0.75%で低利かつ安定的に調達しました。

■平成30年度外部資金調達実績(概要)

調達手段 年限 回数 調達額(借入額) 平均利率
政府保証債 10年 12回 3,475億円 0.15%
20年 12回 4,000億円 0.57%
30年 8回 2,800億円 0.76%
40年 4回 1,000億円 0.91%
36回 1兆1,275億円 0.52%
財投機関債 20年 4回 384億円 0.60%
30年 6回 600億円 0.94%
32年 1回 100億円 0.75%
35年 1回 100億円 0.84%
39年 1回 100億円 1.19%
40年 11回 1,750億円 1.21%
24回 3,034億円 1.05%
財政融資資金借入金 ※元金均等償還、

貸付期間40年(据置期間30年)

3回 1兆5,000億円 0.87%
合 計 63回 2兆9,309億円 0.75%
平均調達年限 32.2年
債務残高の平均残存年限 10.3年(発足時5.1年)

(注1)平均利率は、調達額と応募者利回り又は借入利率を使った加重平均で表示しています。

(注2)端数処理の関係上、計が合わないことがあります。

上表を印刷される方はこちらPDF【88KB】

■有利子債務の平均利率

有利子債務の平均利率は下表のとおり、期末時点で1.02%まで低下しました。

  金 額 平均利率
発足時(平成17年10月1日)の有利子債務残高 37兆3,976億円 1.80%
平成30年度期首有利子債務残高 27兆3,060億円 1.16%



債務引受額 2兆1,956億円 0.11%
債務返済額 △ 3兆3,933億円 1.29%
資金調達額 2兆9,309億円 0.75%
債券発行差額償却による簿価増 59億円
平成30年度期末時点の有利子債務残高 29兆0,451億円 1.02%

注1)道路承継未払金を含んでいません。

注2)借入金に係る平均利率は借入額と借入利率を使った加重平均で表示し、債券に係る平均利率は、調達額と債券発行時の応募者利回りを使った加重平均(但し、「会社からの引受額」に含まれる債券は引受時の簿価と表面利率を使った加重平均)で表示しています。

注3)端数処理の関係上、計が合わないことがあります。

上表を印刷される方はこちらPDF【92KB】

3 債務返済計画と実績の対比

(1)機構発足時以降の債務返済計画と実績の対比

  全国路線網などの債務返済計画について、交通量、金利水準など基礎的な前提条件を最新のものに見直すとともに、平成30年度までの実績(実績見込みを含む。)を反映して作成しています。
  機構発足時以降の計画と実績の対比は以下のとおりです。

債務返済計画と実績の対比


債務返済計画では、決算と数値の扱いが異なる部分がありますので、計画実績対比を行う際には決算数値を債務返済計画ベースに修正した数値を用いています。例えば債務残高は、現金、未収金・未払金を考慮して計算しており、平成30年度に受け入れた財政融資資金借入金1.5兆円についても同様の扱いとなっております。

上表を印刷される方はこちらPDF【188KB】

(2)平成30年度における債務返済計画と実績の対比

【特定更新等工事に係る債務を除くその他の債務】
平成30年度期首債務残高は27兆860億円でした。平成30年度は、収支差1兆9,269億円、会社からの引受け債務2兆1,134億円の結果、令和元年度期首債務残高は27兆2,725億円となり、平成30年度期首に比べ1,865億円増加し、計画に対しては1兆896億円下回りました。  債務残高が増加した理由は、平成30年6月の東京外環自動車道(三郷南~高谷JCT)の開通に伴い会社から債務を引き受けたことなどが要因であり、債務残高が増加することは、計画上も見込んでいます。

(会社からの引受け債務)
会社からの新たな引受け債務(道路資産の帰属の際に引き受けるもの。無利子借入金は除く。)は2兆1,134億円で、計画を9,693億円下回りました。これは、供用・事業完了予定、修繕工事の工程を見直したことに伴い、債務の引受けが翌期に繰り越されたこと等によるものです。

(収 入)
 収入の大宗を占める会社からの貸付料収入の増もあり、収入の合計は2兆2,724億円となり、計画を1,725億円上回りました。

(支 出)
 低金利の資金調達によって支払利息が計画より減少した一方で、会社からの引受け債務が計画を下回ったことにより消費税の還付が減少した結果、支出の合計は3,455億円となり、計画を642億円上回りました。

【特定更新等工事に係る債務】
平成30年度期首債務残高は1,113億円でした。平成30年度は、会社からの引受け債務801億円、債務返済開始前の引受け債務に係る消費税相当額が△59億円となったことから、令和元年度期首債務残高は1,868億円となり、計画に対しては5,124億円下回りました。


(会社からの引受け債務)
会社からの新たな引受け債務は801億円で、計画を5,467億円下回りました。これは、工法検討や工事実施方法の調整に伴い、工程を見直したことによるものです。


【債務残高の総額】
以上の結果、令和元年度期首債務残高の総額は27兆4,593億円となり、計画に対しては1兆6,020億円下回りました。


■平成30年度における債務返済計画と実績の対比

[単位:億円(消費税込み)]

  合計 全国
路線網
首都
高速道路
阪神高速道路 一の
路線
阪神圏 京都圏
債務残高(平成30年度期首) 特定更新等工事に係る債務
を除くその他の債務
           
 計画(A) 270,979 203,244 39,635 26,906 1,148 47
 実績(B) 270,860 203,244 39,635 26,806 1,138 37
 差額(B)-(A) △ 120 0 0 △ 100 △ 10 △ 10
特定更新等工事に係る債務            
 計画(A) 1,158 447 602 109 - -
 実績(B) 1,113 447 602 64 - -
 差額(B)-(A) △ 44 0 0 △ 44 - -
会社からの
引受債務
特定更新等工事に係る債務
を除くその他の債務
           
 計画(A) 30,827 29,216 1,249 316 25 21
 実績(B) 21,134 20,257 650 195 30 3
 差額(B)-(A) △ 9,693 △ 8,959 △ 599 △ 121 5 △ 19
特定更新等工事に係る債務            
 計画(A) 6,269 4,530 903 835 - -
 実績(B) 801 515 136 150 - -
 差額(B)-(A) △ 5,467 △ 4,015 △ 767 △ 685 - -
特定更新等工事に係る債務 債務返済開始前の引受け債務
に係る消費税相当額
           
 計画(A) △ 464 △ 335 △ 67 △ 62 - -
 実績(B) △ 59 △ 38 △ 10 △ 11 - -
 差額(B)-(A) 405 297 57 51 - -
債務返済開始前の
支払利息相当額
           
 計画(A) 30 28 1 1 - -
 実績(B) 13 6 6 1 - -
 差額(B)-(A) △ 17 △ 22 6 0 - -
収入            
 計画(A) 20,999 17,145 2,214 1,569 32 39
 実績(B) 22,724 18,874 2,215 1,569 34 31
 差額(B)-(A) 1,725 1,729 1 0 3 △ 8
支出            
 計画(A) 2,813 1,774 596 426 15 2
 実績(B) 3,455 2,384 624 431 13 3
 差額(B)-(A) 642 610 28 5 △ 2 1
収支差            
 計画(A) 18,186 15,371 1,618 1,143 16 37
 実績(B) 19,269 16,490 1,591 1,139 21 28
 差額(B)-(A) 1,083 1,119 △ 27 △ 5 5 △ 9
債務残高(令和元年度期首) 特定更新等工事に係る債務
を除くその他の債務
           
 計画(A) 283,621 217,089 39,266 26,079 1,157 31
 実績(B) 272,725 207,011 38,694 25,862 1,147 12
 差額(B)-(A) △ 10,896 △ 10,078 △ 572 △ 216 △ 10 △ 19
特定更新等工事に係る債務            
 計画(A) 6,992 4,670 1,439 882 - -
 実績(B) 1,868 930 735 204 - -
 差額(B)-(A) △ 5,124 △ 3,740 △ 705 △ 679 - -
債務残高の総額            
 計画(A) 290,613 221,759 40,705 26,961 1,157 31
 実績(B) 274,593 207,940 39,428 26,066 1,147 12
 差額(B)-(A) △ 16,020 △ 13,819 △ 1,277 △ 895 △ 10 △ 19

注1)「会社からの引受債務」では、機構が国等からの出資金及び補助金を財源として高速道路会社に貸し付けた無利子借入金に係る債務は除いています。

注2)全国路線網及び阪神高速道路(京都圏)に係る地域路線網の令和元年度期首債務残高は、平成30年度期末時点の値を記載しています。

注3)端数処理の関係上、計が合わないことがあります。

※ 債務返済計画では、決算と数値の扱いが異なる部分がありますので、計画実績対比を行う際には決算数値を債務返済計画ベースに修正した数値を用いています。例えば債務残高は、現金、未収金・未払金を考慮して計算しており、平成30年度に受け入れた財政融資資金借入金1.5兆円についても同様の扱いとなっております。

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